PTSD

幼い頃うけた虐待は記憶から消そうとしていた。

あいつがこの世からいなくなった時にようやく忘れられると思っていた。というより無かったことにしようと自分に言い聞かせてた。

あいつの家族は私にとって大事な存在だし、公にすればその家族が悲しむから一生黙っているしかなかった。

PTSDという言葉が世間で知られるようになって、自分もそうだったんだと。長い年月をかけて乗り越えて。それでも消えることはなかった心の傷。