男手ひとつで

友人のシングルファーザーは10年くらい前に嫁さんが男つくって出ていって以来、娘と息子を一人で育てている。

さっき、電話があって今日から子どもたちを連れて車で甲子園まで行くという。

彼は小さな野球チームのコーチをしていて、息子もそこで野球やってるから甲子園の雰囲気を見せてあげたいと。

中学生の娘はバレーボールをやっていて、夜の練習や試合には送り迎えもして、日々の食事からお弁当までよくやってる。

私と料理の話をしていると周りの人から主婦同士の会話やな、と言われることもしばしば。

息子の小学校のPTA会長もやっていて、仕事しながら時間の調整が大変だろう。本当に感心させられる。

小学校の創立記念日には、何か子どもたちの記憶に残るようにとドローンでの空撮をしてファイルを作っていた。

どこのPTA会長さんも大変だと思うけど、ひとり親で他の子どもたちのことも面倒みるなんて私には到底できない。学校の役員するのも一苦労だったのに。

彼のご両親は既に他界されているので、おじいちゃん、おばあちゃんの手も借りることはなく、時々周りの友だちで食事を作ってあげたり子どもを預かったりするくらい。

自宅が遠いので、近所に越しておいでよと言うけれど、子どもたちの環境を変えたくないからと頑張っている。

私のゴルフにも月に一度くらいは付き合ってくれて。彼もまだ四十半ば、誰かいい人と巡り会って欲しいと思うけれど若くて美人がいいなどとのたまうので、あんたは見る目がないんやから心で選びなさいと助言はすれど、こればかりは縁がどこにあるやら。

子どもたちに手がかからなくなるまで無理かもしれないけれど、よく頑張っているのだから人生の後半は善きパートナーが見つかるといいね。

ひとで子育てしている若いお父さん、お母さんたちが泣き笑いしながら子育てできますように。